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@アシヤアーキテクツ(プレゼンの朝)

 @アシヤアーキテクツのプレゼンについて、前回のプレゼン案の作成に続き、第2回です。(楽しみにしていただいていましたか?)

プレゼンには主に模型やCGと図面を使用します。最初の第一歩として施主さんと我々がイメージを共有することがもっとも大事になりますので、可能な限り立体とすることにより建築計画案のわかりやすさに留意しています。

今回の写真のプレゼン仕様は模型と図面になりました。施主さんからはプレゼンの前から”アシヤアーキテクツに依頼する”という旨を明快にしていただいているので気合いが入ります。

さらには施主さん自身は明快なイメージをお持ちなので、プレゼンの案はその”希望を様々な角度から実現する案”として、そしてあくまでも今後の”打ち合わせのためのたたき台”となるべくバリエーションをいくつか準備した提案になりました。

まづは施主さんの希望とイメージをすべて盛り込み、さらにプラスアルファを我々なりに追求した案。
もう一つは敷地と施主さんの希望をあえて誤読することにより違った可能性を見ていただく案。
さらには案を作成するに当たり途中でボツとしている案・・・。
最終的にはボツ案はプレゼンには使用していませんが、様々な可能性(我々の設計者としての可能性とその敷地に対する建築の可能性)を確認していただくことが主な趣旨となります。

今回のプレゼンでは、最終的にはプレゼンの後に時間をかけてゆっくりと議論を深め、施主さん自身も様々お悩みにり、案の修正検討を行った結果、ベースとして施主さんのイメージ通りの案でそこに若干アシヤアーキテクツ案を盛り込むという最も良い形で最終の案にたどり着こうとしています。

大阪城は豊臣秀吉が築城したということです。つまり、建築はオーナー自身が築くものなのです。

これが我々がイメージしている設計プロセスであり、また様々な方向性と成長を許容する提案が最も良い提案だと考えています。

 

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写真はまさにプレゼンに出かける直前のパッキングの前のテーブルの上です。我々も朝まで悩み、ギリギリまで案をブラッシュアップしています。

プレゼンのケースによっては、施主さんがいくつかの事務所による提案を受け、施主さん自身が案と設計者を決めるというコンペ形式にも時に参加しています。

ただ、我々自身の考え方は、設計案、デザインは大事ですが、最も大事なことは設計者の選定だと考えています。案の良し悪しだけではないのです。
案は両者でじっくりと話し合い、イメージや意見を交換し合いながら作り出すものです。なぜなら建築は施主さんにとっての社会とつながるインターフェースだと思っているからです。

ですので、つまり、そのじっくり話し合う相手としての設計者の選定が最も重要な要素になると考えているのです。
建築案は施主さんの希望を盛り込み、敷地の可能性を引き出しながら、一緒に丁寧に紡いでゆけばよいのです。
そしてそれはいかようにも広がり、どこまでも深遠にも成長するのです。

つまり設計作業はそのプロセスが大事なのです。そしてその延長線上に住まいに対する愛着と満足感があるのだと、それを引き出すことが設計者としての職能であると考えています。

といいつつも、競合するコンペ形式は前者とまったく違った意味で気合が入ります。

まづ大事なことはその仕事の受注を希望するのかどうか・・・。
つまり、バッティングでいうとシュアにヒット狙いで、塁に出てから盗塁を狙うのか・・・、
それともフルスイングでホームランを狙いに行くのか・・・。

何を隠そうこのホームラン狙いこそが僕にとって最もうれしい仕事になります。なぜならただひたすらに自己満足のための仕事として取り組むことが許されるからなのです(許されるような気がする)。
学生時代の課題のように・・・。ほとんど仕事として受注することなど頭の片隅にもなく、自身の勉強、可能性の自己探求としての取り組みです。

たまには、このようにいつもとは違うシチュエーションで頭を活性化することは長く仕事を続けるうえで非常に重要だと会得しています。

幸か不幸か、というかもちろん、というか案の定ホームラン狙いで仕事の受注につながったことはありません。
しかし建築の探求とは案の作成とその客観的な検証を常に交互にテストすることにより新たな可能性につながるものなのです。

ですので常に良い案を作成することだけが建築の探求ではないのです。しかしもちろん建築は施主さんのもの、だから時に自分のための設計案を検証することは大変重要な機会なのです。

しかし、この神聖なる業務の遂行には多くの障壁があります。背後からはいい加減にしろと・・・、誰からも一切手伝いどころか励ましの言葉すらなく・・・。
それでも夜な夜な自分だけのホームランを狙って・・・。

このようなことをかいていると誤解されてしまいますが・・・、大丈夫です。進行中の仕事には一切影響しない範囲でのみ、行っています。

ヒット狙いの場合、これはどうなのでしょう・・・。個人的にはそれなりの打率をほこっているつもりではありますが・・・。いずれにしても案の重要度と合わせて設計者の選定の重要性をお話しさせていただいています。

どちらにしても、最初から設計者として任ぜられている中でのプレゼンほどプレッシャーのかかるものはありません。
なぜならそれは施主にとって最良の建築であることは当たり前なのですから・・・。