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@アシヤアーキテクツ(プレゼン案の作成)

ブログを継続する気持ちは満々なのですが・・・、なかなか書く内容を考えるとそうもいかないのが現実です。
文章を作ることと建築を造ること・・・どちらも人に伝えたり、組み立てるという面ではかなり似ていると思っています。
私にとって文章は、言葉を羅列することにより人に伝え、新たな意味を紡ぎだし、時に楽しさや新しい何かを読む人に発見していただくものです。
建築は、屋根、床や窓のような従来の建築を構成する要素を住む人やその土地にあわせるようにそれぞれ配置や構成を検討しながら組上げてゆくものです。
従来からの様々なパーツ(言葉)の組み合わせにより新しい価値の創造・・・という意味では文章は建築のアナロジーなのかもしれません。大げさかもしれませんが・・・。

ということもあり、継続的にブログをアップすることを目的として、@アシヤアーキテクツというシリーズを勝手にでっち上げてみます。

我々事務所の作業をそれぞれのフェーズに沿って紹介をさせていただくというものです。

設計事務所(我々は特殊かもしれませんが)がどのような作業を行っているのか、見ていただけましたら幸いです。

まづはプレゼン前の設計案作成作業中の机の上です。

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まづはその依頼主、住まい手(オーナー)にとって何が必要で、我々は建築を通じて何を提供できるかを事務所内で徹底的に話し合います。案を作る前、つまり線の一本を引き出す前に相当時間を費やして会話をします。

一本の線を引くということ・・・つまりその一本が最終的には1つの建築につながるわけですから、その一本目の線は今もかなり緊張をします・・・というかその行為に対しては恐怖すら感じています。
その一本を引く恐怖までの時間稼ぎとでもいえますでしょうか・・・話をしたり、関係ないかのように思える本、作品集を見たり・・・散歩をしたり、昼寝をしたり・・・考えながら様々に時間を費やします。

スケッチはもちろんローディアの方眼紙を使用します。もうかれこれ十年近くこの紙です。お気に入りの紙にすることで、不思議とこちらの背筋も伸び、線の一本に緊張感と意味をもたらしてくれます。シャーペンと芯はペンテル・・・これは至ってはもうかれこれ25年、これしか使用したことがありません。

そうこうしているとなんとなく書くべきもの、オーナーに検討していただくべきものが見えてくるのです。

そんなこんなで何とか1つの案を作り出し、そこからダメだし地獄の始まりです。
時にはこれだ!!という案ができても・・・

事務所内のダメだし大臣が仰せられるのは・・・

デザインはよくてもコストが・・・、

生活動線はよいけど、来客時は・・・、

無駄が多い!!、との意見かと思ったら、もう少しゆとりを・・・、等等

そこからまた振り出しに戻って、本を眺めて、話をして、散歩をして、植栽に水を与え、熱帯魚を眺め・・・

このルーティンを繰り返しつつ、時に眼鏡を逆にしてかけてみたり、敷地図をクルクルと回転させて見たり、コーヒーに5杯砂糖を入れて飲むなどの”げんかつぎ”をおりまぜつつ・・・。(私は道路を渡るときは右足から、とかプレゼン会場には右側からアプローチする等等げんかつぎにはかなりのこだわりがあるのです。)

そして我々なりに整理し納得できる案をプレゼン案としてオーナーさんに見ていただくのです。

よりよい建築はどこまでも可能です。その可能性を信じてとにかく考え、話し合い、最良の建築をプレゼンすることがまづ我々のできることだと考えています。

という感じがプレゼン前の@アシヤアーキテクツでした。