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@アシヤアーキテクツ(模型制作)

我々が 建築を作る際に最も大事にしていること・・・、つまり平面の広がり感、インテリアの雰囲気や密度、外観の見え方、採光の具合や通風の程度、そして近隣環境との関係性などなど、それらの複合的な条件を合理的に解釈し、建築として結晶化を計るため、我々は模型による検討を進めます。
スケッチやコンピュータグラフィックも使用しますが、まづ最初は模型です。

もう何年もやっているのだから3次元の立体のイメージなど容易だろ…と思われるかもしれませんが、実際に模型を作ることにより初めて気が付くこともたくさんあるのです。
例えば窓のサイズや位置、高さなど、近隣からのプライバシーを確保しつつ内部に採光と通風を招きいれるなどの条件を厳密に確認して決定するには模型で確認するしかありません。
つまり模型により何か不具合が発見されるということではありません。より深遠に案が進化するきっかけを与えてくれるということです。

何度も何度も作り変えて漠然としたイメージから確かなイメージに・・・、つまり建築案として自信を持って施主に提示し、さらにその先にはこの地球上にくさびを打ち込むがごとく建築するには、その建築に確信を持たなくてはなりません。

そう考えると、施主と私たちが建築に対する確信と得るための作業のひとつなのかもしれません。
さらにはその土地の地霊に対する、崇高なる儀式に近いのかもしれません。

とにかく案をたくさん作り、簡単な模型を作りながら少しづつ修正、時のそれぞれの案の良いとこどりをしながら案を進化させてゆきます。

かなりアナログだと思われるかもしれませんが、確実に前進できる唯一の方法だと思っています。

iiai.jpg

ということで、こんな感じです。正直かなりきれいな場所に見えますが、これは少々写真用になっているかもしれません。一瞬で整理整頓が実施された後のようです。

つまり捏造ということでしょうか・・・。

我々の模型の作り方は、まづは小さなスケールで扱いやすい小さなスケール(100分の1)でいくつかの案を作り、その中からさらに育ちそうな案について50分の1にスケールを大きくしてゆきます。
その大きなスケールの模型もほとんどは最後まで到達することなく途中で挫折・・・理由は無理が発見されたり、やはりつまらなかったり・・・。

そんな淘汰を繰り返して最後の一案に到達してゆきます。

模型はスチレンペーパーという薄い発泡スチロールの両面に紙が貼られた材料とゴールデンボードという厚紙を使用します。
糊は一切使用しません。すべて両面テープにより接着します。これは後でいくらでも修正ができるようにするためです。

写真に写る製作者曰く・・・正直なところ、設計業務のすべての作業フェーズにおいてこの模型作成のフェーズが最も楽しい時間です、とのことです。