緑豊かな代々木公園から徒歩圏内の都心の真っ只中、それなりに密集した閑静な住宅街で進行していたプロジェクト、treehouseがもうすぐ竣工になります。

プロジェクトは地上三階建てとなります。
下部の2層分を鉄筋コンクリートの外断熱工法、その上に木造の空間を軽やかに戴く構成です。木造部分も下部構造と同様に完璧な温熱環境を確保するべく断熱材を入念に吹き付けています。

写真は最上階の木造部分です。スキップフロア形式を採用しています。手前の天井の高いエリアがダイニングキッチン、奥の床が下ったエリアが親密な空間のリビングとなります。リビングの南側には高い壁で囲まれたパティオのようなテラスが設けられます。

まだブルーシートで覆われていますが、段差を利用し南側には大きなハイサイドライトの開口部が設けられます。ガラスはもちろん熱環境に配慮したLow-eガラスです。かなり大きな一枚のガラスで設置することにより熱伝導を低減します。

ハイサイドライトからは何にも邪魔されない移りゆく美しい空ときらめく星達がどんな表情を見せてくれるのか、本当に楽しみです。

空間の中央には屋根を支えるシンボリックなV字柱が建ちます。
そして天井は木のリブ垂木と仕上げをあらわしにすることにより、軽快感とフワッと柔らかく包み込まれるような輪郭のぼやけた空間となることを意図しています。

あたかもコンクリートの頑強な構造体の上にそっと舞い降りてきた小鳥達の家、止まり木のように・・・。

密集地の中での限られた採光と通風条件の中で、どこまで明るく開放的な空間を確保できるのか・・・、そしてプライバシーを確実なものとした親密な居心地を獲得できるのか・・・、大きなチャレンジです。