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木造住宅の地盤改良工事が始まりました。

緑の豊かな住宅地に建つ木造住宅の現場が始まった。

敷地は、東側には豊かな緑を持つ裏山、西側の道路方向には大きく開けたパノラマビューと、東から西側にかけて緩やかな傾斜を持つ。建築は、周りの豊かな緑と、南側の豊かな採光、西側の大きく開かれた眺望を内部空間に取り込みつつ、敷地の斜面に合わせたスキップフロアーを持つ大きなワンルームとして計画している。

敷地のポテンシャルを最大限に引き出すこと、そして開放的で伸びやかな明るい空間を作り出すこと。これが設計に対する我々の命題である。

そう、料理人が素材の良さを引き出しながら、そこに新たな味覚の付加価値を与えてゆくように・・・我々は、そこにしかない敷地の特殊性の中に、人間が本来欲する快適性という普遍性を成り立たせるようにこの建築をデザインしている。

スキップフロアーによる大きなワンフロアーは、それぞれ互いにゆるやかに繋がりつつ、切断しつつ、そこを光と風が3方向に通り抜ける。

スキップフロアーの採用は、傾斜地において可能な限り土工事を軽減するための方策ではあったが、それをこの住宅を際立たせるためのスパイスとして積極的に利用している。つまり、ポジティブに敷地を使い倒すということ。どのようになるかは追ってここで報告しようと思う。

今日の写真は、地盤改良の様子。我々の仕事はデザインやプランニングが主だと思われるかもしれないが、現場の監理、つまり工事が図面通りに行われているかのチェックも大切だ。 地盤や基礎もデザインの重要な要素である。

地盤改良

この敷地の支持地盤は地表から約3から4M程度と若干深く、さらに斜面でもあるのでなかなか支持層の深さが一定ではなく読みにくいため、改良工事の方法について様々な角度から施工性と地盤の相性、建築の重量と必要とされる地盤強度とコストバランスを考慮したうえで、直径約600mmの太さを持つ柱状改良を採用している。約35坪の基礎面積に対して54本の柱状改良であるので、おおよそ1坪当たりに1.5箇所の高密度な改良工事である。

現場では、改良のための掘削がきちんと支持層に達しているかどうか、掘削される土の種類や粘性、水分を目視により確認し、同時に重機の音や地面の振動などを体の五感を働かせつつ、工事データを照合し工事状況を確認している。