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本屋さん

もう長い事、僕の娯楽は本を買うこととCDを買うことだ。間違ってはいけない。見たり読んだり聞いたりすることでもあるが、それ以上に買うことなのだ。

昔から住まいを決めることの基準は、駅までの間に本屋かCDショップがあるかどうかが高いプライオリティーの一つだった。そんなこんなで当然嗅覚も優れてきて、表紙と目次を見ただけで、これだ!!と勝手に合点して本を買っていたものだ。

当然多くのはずれもあるが・・・、はずれ!!!と叫んでいてもしょうがないのではずれをじっくり見たり読んだりしていると、そこにはやはり当然のように自分が避けたり興味がなかった事が多々あり、だからこそ今まで興味がなかったことに俄然興味が広がり、それが新しい興味につながったりしていった。

まさに怪我の功名といったところか・・・。それとも七転び八起き、転んでもただではおきぬといったところか・・・。そうして出会い、今でも敬愛している作家や建築家はたくさんいる。

まあそれはよしとして、最近ではもっぱらアマゾンをはじめ、ネットで本やCDを買うようになってしまった。

確かに手軽ではあるが、このネットでの購入の仕組みは、一つの体系に沿って買い物をするにはノイズが少なくはずれは限りなく減少するが、ノイズが少ない分、予定不調和的なアクシデントやイレギュラーバウンド、つまり新たな出会いが少ない・・・。これは残念だ。言ってみれば自身の興味から外れる事が困難だということだ。人生も然り、予期せぬアクシデント、イレギュラーバウンドが良しにつけ悪しにつけ必要だ。アクシデントこそが人を鍛え成長させるものだと思っている。とか言いながらも、やはり気がつくとアマゾンで・・・。

最近、六本木の大きな本屋が気に入っている。ここの本の並べ方は尋常じゃない。

建築の専門書の向かいにいきなりおしゃれなカフェの経営の本があったり、ホテルのインテリアの本の近くに旅行のガイドが平気であったりする。通常の本屋だったら、専門書は専門書、ガイドはガイドと縦割りになっているはずが・・・。

ここではまさに刺激的にボーダレスなシームレス。

素晴らしいセンスだ。
だから僕もついつい、今まで手にしたこともない、いやいや足を踏み入れたこともないようなジャンルの本を手にとってしまう。正直、かなり楽しい・・・。ここに行くといつも最低4時間は自主軟禁状態・・・。でてきたときはもはやマラソンを終えたランナーのごとく脱力状態だ。まあ、中に喫茶店はありますが・・・。

ともあれ、水着を変えたら世界記録が伸びてゆくといったように、否応なしにテクノロジーやネットとは仲良くすることを強要される時代・・・、僕にとってこの本屋というアナログ的な存在への興味と親近感が大きくネットショップを凌駕している。まさに新しい出会いの場だ。

唯一つの難は、帰りの荷物が重すぎる・・・。宅配してくれれば良いのに・・・。