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フェルメール

フェルメールの展覧会が開かれているようだ。

フェルメール、レンブラント、ゴッホ・・・、昔アムステルダムまで見に行った・・・。特にフェルメールのブルー・・・。僕にとってのアムステルダムは運河でもなければ、アルルの跳ね橋でも・・・間違っても赤線地帯でもない。フェルメールとレンブラントだ。

まだ、今のような印刷技術やメディアが発達していない時代には、絵画は一つのメディアとして神話の世界を表象し、そして宗教の世界を具象化して時に解りやすく表現し、また時に戦争画として市民を高揚させるなど啓蒙的な意味合いの強いものであったはずだ。

当然美術なのだが・・・、それ以外の啓蒙的な側面、つまり神の眼であったのだろう。

産業革命での印刷技術の発達が一つの契機となり、美術は美術としてはじめて純粋な美術になりえたのかもしれない。だからこそ印象派やキュビズムなどの実験的な側面の強い絵画がそれ以降に多く発達していったのだろう。

画業とはまさに世界を表象する神の仕事なのだ。

今の世の中での最強のメディアといえばグーグルなのかも知れない。

そしてそのグーグルがストリートビューなどというさらに過激なシステムの公表を開始した。今まで航空写真のみの閲覧だったものが、ストリートビューーでは、つまり家の前までの画像が見放題ということ。これは過激だ。

僕は建築から、今まで住んでいた場所、通学路、思い出の場所など早速訪れてみた。ストーカーの定義はわからないがこれはもはやストーカーだ。反面、これはプライバシーの問題、防犯上の問題を色々と取り上げられそうだ。

今までも、携帯やネットの発達に伴い様々な問題、それを悪用するような新しい形態の犯罪が起こってきたわけだし、そのつどその対策には個人個人で柔軟に対応してきたわけだが、今回ばかりは正直だいじょうぶか・・・、何か人類が超えてはいけない視線を手に入れてしまったような怖い気がする・・・。

グーグルはまさに神に引導を渡し、絵画の歴史に新しい、アインシュタインも真っ青な時間と空間を越えた眼をネット上に公開してしまったということだ。