Blog

動物病院の現場にて

dsc01182.JPG

動物病院の現場を進めています。既存のビルの1階、場所は由緒正しきお寺の参道に面した最高のロケーションです。

現場の天井裏、換気ダクト工事の途中の状況ですが・・・、ダクトを納めることに四苦八苦しています。

ここに求められるダクトの条件は・・・

・犬達の入院室、ICU、トリミング室、手術室、レントゲン室・・・等等かなり多種 多数 多岐に渡る各室においての効率のよい換気

・安定した給気風量の提供

・外部に排気する箇所(犬達の匂いの拡散に対して近隣への配慮)

・換気ダクトを通じて犬達の鳴き声の外部への音漏れ

・そしてバランスのよいコストパフォーマンス

これらの複雑な条件を既存建築にフィットさせることは非常に困難です。既存建築の天井の高さもそんなにあるわけではないので、なおさらです。

昔フラクタル理論の本を親戚のおじさんに進められて読みました。彼は当時でたばかりのQUADRAでプログラミングしながらフラクタル理論をビジュアル化して説明してくれました。(それにしても当時の漢字talkというOSの名前はどうなのでしょう・・・未だに不思議です。ちなみの僕が一番最初に入手したPCはパワーマッキントッシュ7100でした。)

フラクタル理論とは海岸線や山の稜線みたいな自然で複雑な形状もそれぞれは一つのルール(数式、公式)みたいなものにシンプルに還元できる。つまりは幾何学であるということ。
そしてそれらの部分と全体は自己相似の関係になっていて、つまりは不規則と規則性の相関関係についての理論、といった感じだったかと記憶しています。(すみませんあくまでも記憶です。)

ということで、この天井裏のカオテックなダクトも還元すれば限りなくシンプルなルールと法則、規則で出来ています。つまりは上記の要件を満たすことに加えダクトの必要径、ダクトの曲げの曲率、曲げる回数等のルール。しかしながら見た目はもはやカオス、複雑系のビジュアル版です。

現場で打ち合わせをしていると、しまいにはこの複雑系ダクトがある一定の規則(自己再生と実現)をもつ生命体のように見えてきました。ジブリの作品に出てきそうです。

ということではありましたが、何とか無事に納まる気配が見えてきました。皆様ご苦労様でした。