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10周年で引越しをしました。

明けましておめでとうございます。

事務所を始めてちょうど10年目に突入しました。お世話になります。

ということだからではなく事務所を引越ししました。といいましても同じ建物の中でもともと6階だった場所を4階に移動しただけですので電話番号は変わりませんが・・・。

床面積に対してテーブルの面が大きければ大きいほど、もはや歩く場所など僕には必要はなく、ただひたすらに大きな面のテーブルを欲するあまり、今までよりは少々大きな場所に引越すことを決めました。作業スペースとは別に打ち合わせスペースが下階に確保されています。いわゆるメゾネット形式なのですが、とにかくテーブル面は素晴らしく広く、つまりは少々のことではいちいち片づけをしなくても作業に没頭できるようになりました。テーブル面率はおよそ30%くらいでしょうか?率だけでは第一種低層住居専用地域以下ですが、実際はかなりの広さです。

ということで、事務所の作業スペースの写真です。見てみてください。

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このような作業スペースで仕事をしています。いつでもきてください。作業に使われている家具は・・・

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�・・・ジャン・プルーヴェ(フランスの建築家、デザイナー)によるテーブルです。テーブルとしてのその形態と構造力学的な合理性が見事に調和したデザインです。いかにすごいかを書き連ねたいのですが・・・、つまりは構造力学的に部材に対する圧縮力と曲げ力をして工学的に調和していると申しましょうか・・・、かなり時間がかかりそうですのでまたの機会に・・・。ちなみに下階の打ち合わせテーブルはプルーヴェのこのアイデアを僕が見よう見まね(パクリではありません。なぜなら到底及ばないからです。)をして作成した物です。結局それはプルーヴェのテーブルの倍以上の値段になってしまいましたが、それでも実現したくなる素晴らしいアイデアです(僕にとって)。

�・・・ジャン・プルーヴェによる椅子です。このテーブルにはやはりこの椅子でしょう。とはいえ椅子は正直特筆する感じではありません。

�・・・ジャン・ヌーヴェル(フランスの建築家)によるテーブルです。長さ2.4M 巾1Mなのですが、テーブル板の厚さがほぼ8mmくらいしかありません。ほぼ浮かんで見えます。僕はヌーヴェルは現役の中では当代随一の建築家だとおもっています。ということでこのテーブルです。あまりにも薄いです。シングルベットより少々長い板がこの薄さということですから・・・。構造的にどうかということよりもはやこのうすさが詩的です。

�・・・鉄を扱う友人の作家、河合さんの作品です。ロートアイアンの作品を多く手掛けていますが、このサイドテーブルもそのひとつです。鉄の素材感、重量感、温度や湿度を持つテーブルで気に入っています。

�・・・ジャスパーモリソン(イギリスのデザイナー)による照明です。モリソンは僕の中では現役では最強のデザイナーだと思っています。これはグローボールという照明器具ですが、美しいです。今まで設計をさせていただいた施主宅に導入してきました。新しさがありながらもどこかノスタルジックなイメージがありますね。そしてこの形態を実現している恐ろしいほどの執念と技術が感じられます。施主に推薦するにあたり僕が持っていないことにはどうなの?と言う理由ばかりではありません。

�・・・自作のスピーカーです。かなり工夫をこらし最高の音質を追求していますが・・・さてどうでしょう。

�・・・フロスのアルコランプです。定番ですね。あらゆる意味でよく出来ています。そして美しい。何でも細くて長く、そして緩やかな曲線を描く物は綺麗ですね。(例えばあなたは今何を連想しているのでしょう?教えてください・・・)こちらも施主に推薦するばかりではなくそのよさを日々体感しています。

�・・・アアルトベースです。アルヴァアアルトはフィンランドの建築家です。そのプロポーションの美しさとそれを実現している技術と執念、これに尽きます。他にもいくつも所持しています。

�・・・フリッツハンセンのセブンチェアなのですが、これはレザー貼りなのです。イギリスに留学していたときに、カムデンタウンと言うマーケットで衝動買いをしてしまいました。金もないのによく買いました。もともと2脚ペアだったのですが、一つは帰国時に崩壊してしまいました。

�・・・イギリスのGPLANというメーカーのオットマンです。ターコイズブルーが素敵です。今でも、どうもこのイギリスのベタな感じに惹かれてしまうのです。他にもアーコールの椅子とか・・・。

�・・・ドイツのジロフレックスというメーカーの椅子です。僕の作業椅子です。現場に出ない日は寝ているかこの椅子に座っているか・・・、毎日14時間以上はこの椅子の上です。さすがドイツ製といった感じでしょうか?形とかではないのですが、何故かこの椅子なのです。

�・・・日本のデザイナーのドリルデザインと言うチームのスツールです。カラフルな積層板を使ったシンプルなデザインですが、キラー通りのギャラリーで一目ぼれをしてそのまま買って持って電車で担いで帰りました。素材としてのベニアまでもをデザインの対象とするその戦闘力に脱帽です。椅子の断面が美しいです。

�・・・KEVIチェアです。デンマーク製の古いタイプです。なかなか珍しい形で衝動買いしました。やはり椅子はデンマーク製なのでしょうね。ウェグナーのソファに始まり、オフィスチェアはやはりKEVIチェアでしょう。不朽の名作だと思います。

�・・・模型の制作台です。FRP製でトラックの荷台に使用する板です。ただし、ハニカム構造ですので恐ろしく頑丈で、上品なまでに軽いです。単なる荷台に使用されているのではもったいないのです。そんな出目かもしれませんが、僕にはとっても愛らしいです。ハニカム構造が透けて見えて最高です。

�・・・GPLANの飾り棚です。中には施主さんにいただいた作品や記念品は保存されています。材質はオークです。引き手のデザインがチャーミングです。

�・・・妹島和世(建築家)さんデザインの椅子です。亜鉛メッキの鉄板製です。私にとって妹島さんは日本人建築家の中では一番惹かれる存在です。作品は言わずもがなですが・・・、この椅子はとってもチャーミングです。たぶんもう手に入らないと思うので大事にしています。

�・・・リクリントの照明です。美しいです。眺めているとそのすごさがジワジワと伝わってきます。ここにもやはりデザインの意志の強さと執念を感じます。

�・・・ここが1級建築士事務所だということがわかる唯一の証明として、建築士事務所登録番号と監理建築士登録番号が書かれた札がかかっています。これがないとここは単なる工作室にしか見えないでしょう。もう一つは最近受賞した盾が飾ってあります。

 自分の机に図面や模型を引っ張り込んでくるのではなく・・・、図面と模型があるテーブルに自分が移動して仕事をするという感じで仕事を進めています。

共同作業がメインなので、特にお互い情報の共有を大事にしています。そのためにはそれぞれプロジェクトごとに場所を作ってそこで作業をするという形で進めてゆく・・・、だから片付けるという行為を可能な限り少なくしたい・・・でも雑然とした空間は仕事には向かない・・・、と言うことで編み出したアシヤアーキテクツメソッドです。何か美容法みたいなネーミングです。

片付けないで整頓する!!これです。今のところ、情報の共有は完璧です。ちなみに我々はプロジェクトごとに担当を決めずにすべての作業を共同で行っています。

時間はかかりますが、すべての事象に対して複数の案、そしてアウトプットはダブルチェック・・・、繰り替えしになりますが、時間はかかります。ですが当面はこれでよいと思っています。

あと、見えませんがこの作業スペースには数が数え切れないほどの計算機とメジャーがあります。以前は”計算機はどこだ?”とか”メジャーは?”等と事務所中を探し回り、時にそれが原因で不穏な空気が流れ・・・、思いのあまりその行為に要した時間を一年で累計するし時給で計算したところ計算機を買うほうがよほど効率がよいと考え、とにかくたくさんの計算機をこの空間に解き放ちました。おかげでどこにいても手の届くところに計算機とメジャーがあります。素晴らしいです。

 自己紹介のつもりだったのですが、恐ろしく長くなりました。今度時間がありましたら下の階を紹介します。