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竣工後の検査にて

 昨年の震災の数日前に竣工した住宅(千葉県)に1年目検査に行ってきました。未だ早いとは思いましたが・・・。

お施主さんは仙台出身、震災当日は施主さんの両親が引越しの手伝いのために仙台からこちらに訪問していたため震災の難からは逃れられましたが・・・それでも様々に・・・。ということでなかなかお邪魔できなかったのですが、早めの検査ということでやっと訪問できました。

素敵に楽しく住まわれています。本当に嬉しく思います。とにかく明るく活動的なご家族で、あれこれ打ち合わせさせていただいた頃が懐かしく思い出されます。皆も元気そうで何よりです。

きちんと写真撮影をしたかったのですが、機会を逸しました。簡単ではありますがご紹介させてください。

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南面にはあいにく隣家が迫ってきています。そこで、スキップフロアー形式を採用し、南側に大きく開かれたハイサイドライトと天井の高いリビングを獲得しています。

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奥様が立たれている箇所がスタディールームです。引き戸で仕切られるようになってはいますが、普段はリビングダイニングの一角のようにみなの顔が見えるワンルーム空間となっています。ほとんど引き戸を閉めたことはないそうです。閉めるときは説教部屋として!だそうです。

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このシンプルなキッチン収納も施主さんとじっくり作りました。シンプルだけどチャーミングです。
バスケットのサイズからトレイの数、調理器具の配置とサイズなどなどとにかく施主さんにとっての機能性の追及を目指しています。

本当に綺麗に使っていただいているようです。ありがたいことです。

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男子3人のスタディールームです。コンセプトはすべて3等分!!元気一杯の民主的なメンバーです。

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アプローチ周りです。外壁はチョコレート色です。植栽も良い感じで育っているようです。外観は洗濯物が・・・ということでご容赦ください。

検査でも大きな指摘事項もなく、本当に素敵に住まわれていてこんなに嬉しいことはありません。

・・・・当然ですがはありますが我々設計者にとっての住まいとは・・・

”施主家族の社会に対してのインターフェース、顔”

それと

”施主家族の日々の生活の場、住まいとしての機能性の充実”

ということになります。我々が一番大事にしていることです。

デザインばかりでは住まいとしては成立しないのです。強調するまでもありませんが・・・。

我々も設計の際にはこの機能性と使いやすさの追求に対してはすごくたくさんの時間と対話を繰り返しています。我々は住まいを設計しているのです。もちろんデザインも大事です。最も大事なことは施主さんとのコミュニケーション。現場との対話だと考えています。

実際、デザインや間取りの打ち合わせよりよほど気を使いますし時間をかけています。なかなか見えにくいところではありますが、その打ち合わせこそが住まいの機能性、そしてその延長線にある愛着を担保するのだと思っています。

ということでなかなか竣工写真ではお見せできないような箇所をごらんいただきました・・・