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傾斜地に建つヘアーサロン併用住宅 断面から考える

傾斜する敷地を有効に活用したヘアーサロン併用住宅について紹介します。

西側が前面道路で、敷地はその前面道路より2m近くの段差がある敷地です。前面道路に面してはオーナーが経営するヘアーサロンを設けています。ヘアーサロンは完全予約制の少人数で密度の高いサービスを提供するプライベートサロンとして、大きな規模は必要とされませんでした。

前面道路に面してヘアーサロンを設け、敷地の高いレベルを基準に住宅を設けています。

ヘアーサロンの正面になる道路側の外観に対して・・・、地上階のヘアーサロンのイメージと上部の生活空間としての外観は両立させることは困難であり、前面道路からはあくまでもヘアーサロンとして独立して見える状態、つまり、”いかにも上部が住宅”という見え方をコントロールすることが大事であると考えました。あくまでもヘアーサロンとしての独立したイメージの実現を試みています。

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ヘアーサロンは室内の環境を考慮してできるだけ高い天井を確保し、上階にはその段差により床の段差を活用したダイニングキッチンとリビングルームをスキップフロアーとしています。さらにその段差となる室内の中央にはこの住宅のシンボルとしてのスケルトン階段を設け、両空間をスキップフロアーとスケルトン階段で緩やかに分節しています。

住宅の2階は各個室が南側に面して並列しています。

中央のスケルトン階段とスキップフロアーにより各空間は緩やかに分節、時に連続し、同時に室内にクロスオーバーする立体的な視線の抜けを発生させ、室内に広がりと住まう楽しさを付与しています。

ここでも床に段差を設ける、スキップフロアーを採用している。

理由はいくつかあります。

ひとつは敷地形状、つまりその地の歴史にダイレクトに呼応したたたずまいすることが重要だと考えます。無理やり造成する・・・と言うことでは得られない、その地の地霊に対するリスペクトだとおもいます。

また、無用な造成や土工事、基礎の形状を避けることによるコストダウン、そして何より立体的で住まうことの楽しさと豊かさを空間に生じさせることができるのでは、と思っています。

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