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静岡 I邸の現場。

静岡県内で計画中のI邸の現場がスタートしました。

建築は木造2階建てです。

建築敷地は母屋の建つ敷地レベルより800mm程度低く、その高低差を最大限活用することが計画において、またコストのバランスでよりよいという判断をし、スキップフロアをもつ住宅として計画しています。
結果、床は4種類のレベルに分割され、室内にクロスオーバーする動線と視線の抜け、そして立体感、広がり感をつくりだしています。

敷地は西側に母屋に隣接し、南面に大きな竹林と雄大な自然風景に囲まれた場所です。

ここではまず母屋との関係性を検討し、母屋に対する朝日、東からの採光を邪魔しないように屋根は西側に向けてだんだん低くなるような形状とし、そして母屋に影響の少ない東側の2階にリビングを設け、高さのある天井高さを確保しています。
リビングダイニングの天井は船底天井とし、ペンダントライトなどを使用せず、下方からの間接光により天井が美しくライトアップされる予定です。

母屋や周辺環境になじむよう、建築のヴォリュームは3つに分割され、同時に前面の竹林からの落ち葉により屋根やトイを痛めることがないように3つのボリュームがそれぞれ違う強い勾配を持つ屋根形状として計画されています。

階段はスチール製のスケルトン階段で、インテリアの要となるようデザインし、そしてスキップフロアーで生じる階段下は床下収納としても有効活用しています。

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我々は住宅の設計に際して、常に以下の3つのテーマに集中しています。

・周辺環境との再定義とその更新。

・ニュートラルで必然性に裏付けられた形状。

・室内の広がりを担保する、立体感と交錯を生み出す流れる視線と動線。

・そして当然のことながら、明るくて風通しのよい空間。

 

この計画では、敷地の状況、母屋との関係性、太陽の動き、風の抜け、落ち葉等によるメンテナンスの軽減・・・などなどの必要条件を素直に直訳するかのような形状とながらも、スキップフロアーやコーナーウィンドウ、間接照明により浮かび上がる船底天井、そして東と南に大きく開放されたLDKなど、我々が理想として、毎回取り組む開放的で明るい空間が実現できるのではと期待しています。

ただいま現場はこのような感じです。施主さん、期待していてください。

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基礎の鉄筋工事完了時の検査では、鉄筋の太さや形状はもとより、コンクリートが流れやすい形状になっているか・・・、鉄筋と鉄筋の繋ぎは所定の長さが確保できているか・・・、コンクリートの被り厚さは確保できているか・・・・、下面にしかれている防湿シートのつなぎ目のラップ長さは・・・、などなどを集中して確認します。

もちろん、職人さんや工務店がきちんと施工しているので問題があることは少ないのですが・・・、我々監理者の細かな指示や確認により全体の整合性や緊張感が現場に生まれているということは間違いありません。

現場検査の回数と建築の精度は比例するものなのです。