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竣工しました。

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この建築は法律家の事務所として使用される。

敷地の間口は5m、奥行きは25mと南北方向に奥に細長い敷地に対し、1階部分はすべて駐車場として利用すること、2,3階を事務スペースとすることが求められた。敷地の状態に対する施工性、軟弱な地盤に対応するため、RCであっても可能な限り躯体重量の軽減が必要な条件となった。

1階の柱はその上部である2階の床と柱、3階の床と柱、屋根を支持している。
2階の柱はその上部である3階の床と柱、屋根を支持している。
3階の柱は屋根のみを支持している。

つまり各階の柱は上階に行くに従って、柱に対して支持を要請される重量が軽減する。つまりは柱に必要とされる断面積も上部に行くにしたがって小さくなるということである。

この建築では、この構造的な要請、つまり上階に行くほど柱の断面積が小さくなることをそのまま建築構造体として表出し、ここに出現する特異な形態が合理性と必然性に裏付けられ、必要とされることを必要な形で可視化された形となるよう目指している。
そして、それぞれの柱はさらに剛性を高めるために柱を斜めに倒すことにより3角形の剛性の高い柱梁構造としている。

理性の建築化、可能な限りの設計者の恣意性の排除、である。

上部に向かって樹木のように枝分かれした構造体を敷地に対して長辺方向に2列並列し、その間を執務空間としている。

インテリアはオーナーが所有するランチャデルタと同様のランチャブルーでコーディネイトされている。

デザインという言葉の定義は際限なく広いので一元的には述べられないが・・・、単なるニュアンスの問題であるとも思うが・・・僕は建築をデザインする・・・、ということが生理的にどうしてもしっくりこない。建築は設計されるものであり、条件と環境の再定義するということだと考えている。

今回目指している設計手法は必要なものを必要な形式として、必要とされるている条件や状況から、普遍的な形式と必然性のある形をあぶりだすようにして設計を進めた。いうならば帰納的な設計方法である。イメージは機能性のみを追及した巨大土木構築物のような感じであろうか・・・。

ここでは形を作るというきわめて個人的な感覚や、デザイン、作り手の恣意性を限りなく排除し、必要な事実のみの積み上げによる形の出現をイメージしている。そしてそれが個人的な感覚や既視感から離陸し、新しい建築の形を提示できればと思っている。