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ファイロファックス

学生だったころ、A4サイズの安いルーズリーフを抱え、古今東西、そこらじゅうの建築を物色してはスケッチし、感想を書き連ねていた。もはやそれは子供の手癖のようなもので、紙があればなんにでも・・・、レストランの伝票、電車の切符にまで書き込み駅員さんにしかられたこともある。単なる子供のいたずら書きのようなものだ。そして案の定、それらのファイルは結局のところ一度も紐解かれることもなく、大きな封筒に無造作に放り込まれたきりになっている・・・。

就職して、幸か不幸かそのスケッチをするという行為は仕事のひとつとなった。そして、さすがにルーズリーフではまづいだろうと、大きなバインダー形式のファイロファックスを購入した。当時の僕にとってはとても高価な代物だった。そして、今までどおりそこに殴り書きのようにい思いついたことやアイデアを蓄積していった。そんなこんな、そのファイロファックスも3つ目になったころ、またしても、その膨大な資料は書庫の奥底に眠っている。悲しいかな、歴史は繰り返されてしまうものなのか・・・。

心の師とも言える建築家が言っていた事だが、スケッチしておかなくては忘れてしますようなアイデアは本物ではない。本当のアイデアは血肉化され、いつでも湧き上がってくる・・・、と。
これは素晴らしい。
影響されやすい僕は、4年前から、ファイロファックスのほかに小さなハードカバーのスケッチブックを常に目の前に置き、そこには簡単な防備録として没になってしまったアイデアや採用を控えたアイデアをあえて記入し、むやみにスケッチすることを避け、ひたすら観ることに集中するようにしている。

そしてこのブログ。書くことによって気がつくことも多々あると思う。自分が何をどう捕らえ、アウトプットしていくのか・・・楽しみでもある。

それにしてもダーウィンも真っ青なくらい明快な自然選択進化論である。