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心の友

僕には心の友がいる。彼は僕と同じ1970年生まれの建築家。独立した瞬間から将来を嘱望され、今では海外でのプロジェクトに至るまでを抱えたまさに同世代のトップランナーだ。

僕にとって、同世代のトップがどのようなことを考えているかを知ることは大事だと考えている。別に迎合したり参考にしたりするのではなく、大きなうねりとしての何かを感じることができるからだ。建築に限らず文学でもアートでも哲学でも、その分野の同世代がどのようなことを考えているかを知ることはとても楽しい、

彼の著作やエッセイ、建築作品はほとんど見ている。最近では、彼の講演会に出かけてきた。実際来場者のほとんどは学生から20代まで・・・、僕は完全に最高齢だったかと思う。

そこでは彼が、自身のビジョンを示しながら、熱く語っていた、僕は同世代の熱い気持ちが見たいだけなのかもしれない。
彼はこういっていた。

今自分の取り組んでいる仮説がよい方向に向いていることだけは確かだ。ただ、今自分が作品として提示しているものがその仮説に対して適切かどうかはよくわからないし、今後提示できるかも曖昧だ。だけど、僕はこれを信じてできるところまでやってみる・・・。

と。まったくかっこいいではないか。まだまだ自信がないといいながら目は確信に満ちていた。

そう、作り続けることが大事だ。こんなタフな同世代のランナーが建築界そのものをいずれ引っ張って行くのだろう。