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知識と知恵

先日、日曜日にもかかわらず、ただ一枚の扉の塗装仕上の立会いで半日現場に滞在していた。

職人さんにはほんとにいい迷惑であったと思う。しかし木製の扉なので失敗が許されず、つまり濃過ぎても、薄すぎても、美しい木目が消えてしまっても困るので何度も何度も試し塗りをしながら調整をした。職人さんもうっとおしかっただろうが、表面上は機嫌よく、柔軟に対応くれ、さらには塗装の極意なるものを僕にインタビューされながらの工事となった。当たり前だが施工のことは職人さんに聞くに限る。おかげで色は完璧、施主にも喜んでいただけたようだ。

子供の頃から僕は何でも、どうして?どうして?と駄々っ子のようにだれかれかまわず人に質問することが大好きだ。
M式弁証法と呼ぶ、もっとも真実に近づける方法だと今でも信じている。周りはえらい迷惑だとは思うが・・・、知恵知識の共有化は有する者の義務ではある由と、僕は固く信じている。

そして今回も様々に面白い話をしてもらった。例えば、ある色を見てその色とまったく同じ色の塗料の作成方法について・・・、この職人さんはかなり自信があるらしく、頼もしい限りだ。そして深い・・・。

そんな僕の癖は先日は以前お世話になった理容師にも向けられた。

長い付き合いの彼は僕のそんな癖を十二分に理解してくれているのでいやな顔一つせずに答えてくれる。

そこで覚えた知識・・・、一つの毛穴には1本の毛髪が生えているのかと思いきや、そうではなく2本3本と生えているとの事・・・、だから白髪を抜くとより白髪が増えるということは医学的には根拠がないにもかかわらず、同じ毛穴から生える毛は白髪になり、結果白髪は増えるということ・・・。また、ヒゲは歳をとればとるほど太く、そして濃くなるということ・・・、加齢に伴い様々な身体的部分は縮減してゆくが、ヒゲは違う、これはホルモンのバランスによるらしい。
そしてもう一つ、男性のシンボルでもある睾丸も生きている限り大きく生長しているらしい・・・。
どうでしょう。ヒゲも睾丸も頼もしい限りではないか・・・。
とかそんなこと。どうでもよいことかもしれないが、これも一つの知識である。

最近計画している住宅のトイレについてかなりこだわっている。

なぜか・・・、自身の生活や志向を思えば、知識を入れる、何かを食べる、そして得るなどなどあらゆる物を体内に入れることに僕は集中しすぎているのではないかと・・・、まるでフォワグラのようだ。(残念ながら10年以上前、友人の結婚式で食べて以来で味は未だによくわからないが・・・。)

それに代え、知恵とは頭から出すものである、つまりアウトプット。

僕は知識も大事だが知恵こそがよりそれをそれに至らしめる重要な指向であると考えている。

だから、つまり、だからこそトイレだ。

排泄を通じアウトプットの美学をここに感じた次第である。

トイレでの所作にこそ何か本質があるのでは、と言う事で今僕はトイレの設計に夢中である。