Blog

竣工しました。

iic.JPG

この2年以上の間、携わっていた住宅の現場が終了しました。

古くからの住宅密集地に建つ鉄筋コンクリート造の住宅です。

数多くの規制や法規的制約をクリアし、また、時にそれらの規制を逆手に取るような空間的な工夫を重ね、鉄筋コンクリート造の耐久性を維持しつつも開放的な空間を創出する構造的工夫を取り入れ、隣地の緑あふれる景観と自然光を最大限に生かす空間を実現しました。

上はリビングルームの絵です。

空間はスキップフロアーを採用することにより3mの天井の高さを確保し、隣地に対しては前面開口として、隣地の緑を室内に取り込んでいます。

長い時間をかけさせていただき、またじっくりと待っていただいた施主に感謝です。

引渡しが楽しみです。

勤務時代、事務所は国内海外と問わず、公共建築の仕事が多かった。
そしてそれらの仕事のほぼすべては設計コンペの勝利によるものだった。

僕自身も設計コンペを担当をすることが多かった。師も、コンペを闘うことにかなりのエネルギーを注ぎ込んでいたように思う。しかしこのコンペ、1,2ヶ月の間に設計案をまとめ提出しなくてはならない。これが大変だ。
ほぼ徹夜に続く徹夜で、朝になると師から変更が言い渡され、また徹夜・・・。まあ、これがやりたくて師事したわけで、ただ思っていた以上にタフな職場だった・・・。

そんな徹夜続きの中で先輩に言われた一言・・・、

終わらないコンペはない・・・。と・・・。

時間が来ればいやでも締め切りが来る。終わらないわけがない。心配ない。と言う事。

苦笑いとともに先輩の声を聞いていたことを、現場で思い出していた。

正直、この仕事が始まった頃から今の今までこの現場が終わると言う事がリアリティを持って感じることができなかった。

しかし、今こうして終了している。これはひとえに現場監督と工事の皆さんのおかげなのだが・・・、どんな仕事でも終わるものなのだ。

思い出せば、いつもいつも先が見えない中でプロジェクトは始まり、そして確実に終了させてきている。当たり前のことだが。

そう、終わらない仕事はないのだ。だからこそ、その間は全力で立ち向かうしかない。まだ、いくつかの現場が進行しているし、これからまた現場もはじまる。

それらの終了時、自分自身がどんなことを考えているのか楽しみだ。