Blog

ありがたきこと

先日オープンハウスを行った。いらしていただいた皆様ありがとうございました。
その中で、予想外だったのは、以前お世話になった施主さんが見えたこと・・・。おっ芦屋君、スキルを上げたね・・・。とか、ここは自分の家のほうがよいねとか、自分の家はどうしてこうしてくれなかったの?とかそんなきびしいかんじでしたが・・・。それはそれで楽しかったです。
大きなお世話なのかもしれないが、僕は以前お世話になったクライアントの現在が気になって仕方がない。最近、そのうちの一人の方が結婚されたと聞いた。これはうれしかった、クライアントはかなり才能豊かな魅力的な人だが、お嫁さんが来たのだ。建築が本当に彼らの生活になってきたということだと感じる、感動の瞬間である。他にも跡継ぎに息子さんが帰ってきたとか、独立して生活していた娘さん3人が新築したと同時に家に戻ってきてしまい、大変なことになってしまったとか・・・、彼女たちはしばらくして結婚されて羽ばたいていったが。。。、そんなことを聞くのがとてもうれしい。
昔お世話になった施主に、竣工したときに言われた一言・・・、これまで二人三脚で付き合ってくれ、色々あったけどご苦労様。だけどね、今はありがとうとはいえない。家とは5年10年たってからはじめてその価値がわかってくる。そうあるべきだよね。だからこの僕らのこのプロジェクトが成功したかどうかは今は未だ判らない。判ったときに改めて御礼を言うよ。との事、かなり厳しいが、その通りだと思う。今でもその施主さんには良く会うのだが、会うたびにダメだしをしていただいている・・・。おかげさまで今では竣工引渡しは僕にとって何のイベントでもなくなってしまった。顔では嬉しそうにしつつも、お楽しみはこれからだぜ・・・と思っている。本当に可愛くない天邪鬼ぶりだが、そのときの施主の言葉が今でも忘れられない。だから、そんな風に結婚したとか、家族が戻ってきたとか、増えたとか聞くとはじめてなんとなく、現場での凄惨に血塗られた歴史を封印し・・・、肩の荷を降ろしても良いのかなとひそかに思う。