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現場でクライアントと

突然電話が鳴った。現場が進行中のクライアントからである。

今日は少しだけ時間が取れるから現場に同行しよう、とのこと。
あまりにも突然だけど、海外と日本を行ったり来たりの忙しい人で、めったに時間が取れないので、あわてて事務所を後にした。

最寄り駅に到着した頃・・・、つまり約束の時間まであと15分のところで、施主から再度電話。早く早く、もうついてるよ、今どこ?とのこと。

こちらも遅刻しているわけではないにもかかわらず、もはや巌流島の武蔵の気分・・・敗れたり小次郎といったところか。

現場に着くとすかさづ一緒に現場をチェック。忙しい人だから、時間の使い方も合理的で手際が良い。

現場の職人さんや監督さんには満面の笑顔でご挨拶・・・そして差し入れ・・・、そして同時に、振り向いては僕に施工や最終仕上げの確認・・・。まったく現場での振舞い方を完璧に心得ていらっしゃる。たいしたものだ。

降りかかるような質問と宿題を残して、颯爽と、じゃ、よろしくね!!期待してるよ!!といって去っていった。今から成田に向かいしばらく海外とのこと。僕は帰路の途中のマックで今日のおさらい・・・。

何がどうしたのか記憶を紡ぎ出し・・・、いかに冷静に今日の宿題を処理するか・・・、いかに現場サイドに負担がかからないようにするか・・・。

まあ、いずれにしても設計事務所の使い方を心得た素敵なクライアントではある・・・。