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もうすぐ竣工です。

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 DUOと命名して進行してきました住宅がもうすぐ完成します。

敷地がL字型に少々変形しており、その敷地形状に合わせて2つのボリュームを配置しています。
幸運なことにこのL字型のそれぞれの辺は微妙に角度が開いていて、建築もそれに合わせてそれぞれ微妙に角度が違う2つの棟が並んでいるという構成になっています。1つの家はインテリアでは実は2つの家だった!というイメージです。住宅密集地であるにもかかわらづ、2つの棟の間にはグリーンと空が抜けて見えます。

敷地に対して素直に合理的に、そしてその敷地ならではの個性をいかして・・・。
なんだか、敷地がこうだからそうせざるをえなかった・・・ではなく、建築をこうしたかったらなんと!敷地の形がこうなっていました!!ラッキー!!!というくらいポジティブな計画としています。

ということで、空間は2つの軸線により構成されています。斜めの軸線はとても素敵です。対角線状に視線が抜けるため広がり感が生じ、また1つの住宅でありながら2つの住宅を行き来しながら生活するような多様性を内包し、所々生まれるコーナーのデッドスペースを上手にチャーミングに活用できれば言うことありません。 

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またもや駅ですが(すみませんもともと鉄道をこよなく愛する鉄ちゃんでしたので・・・)自由が丘駅には二つの路線がそれぞれダイナミックに交錯しています。(交差ではありません、交錯です。)

駅の改修前は特に、それぞれのホームからもう一つのホームへの乗り換え時にはまるで演劇のセットが一気に変わる場面転換のようなダイナミックさでシーンが変わりました。(残念ながら改修後は・・・)
単なる上下運動に角度がもたらせられるとこんなに豊かになるのかと・・・。変わるということを超えて、次元の違う別の世界に到達したかのような高揚感がありました。今でも自由が丘駅での乗換えはドキドキしています。
ということで、僕はこの駅で角度とは何たるかを刷り込まれてしまっていました。そして何とか建築に角度を与えられないかと・・・。

当然住宅は住まいですから、角度により機能性が損なわれたり、面積を無駄にしてしまったり。そもそも住まいにダイナミックさが必要なのかって考えに考えましたが、2つの家による構成というアイデアに気がついたときにすべてが解決しました。

2つの家を行ったり来たり、時には離れ、時にはつながるように、皆仲良しのにぎやかな家族の皆様でも、時には一人になりたいこともあることでしょ?。そんな多様なシーンをおおらかに包み込む空間になるのではないかと確信しています。

今回はとりあえずの写真です。また次回じっくりと・・・。

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最後の仕上げとなる窓廻り装飾の打ち合わせを行いました。

第一線で活躍するイラストレーターでもあるお施主さんということもあろうかと思いますが、自身のイメージにあう生地をてきぱきと明快に選んでゆく後姿には最初から最後まで感心させられっぱなしです。
私はといえば完成する寸前までうじうじと・・・、反省しきりです。