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”ガーデンハウス”が完成しました。

緑が豊かな公園に寄り添うような敷地に住宅が完成しました。

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ダイニングとリビングが外部の風景を取り込みながら、それぞれの空間をずらすことにより緩やかに連続させています。
視線を様々な方向、そして立体的に抜けてゆくように計画して”囲まれている威圧的な感じ方”を極力排除し、”フワッとそこに存在している感じ”を創造しようと試みています。外部環境取り込んだ有機的な関係・・・、これです!!。

ちなみに・・・外構は春に完成します。

リビングの天井高さは3000mm、ダイニングの天井は2300mmと居心地の良さの獲得には空間の大きさのメリハリも大事です。
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寝室から中庭を見ています。中庭3法を囲まれた形となっており、プライバシーが保たれた親密なガーデンとしてデザインしています。

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玄関ホールから中庭、そして公園のサクラの並木を見ています。公園のサクラをダイレクトにそしてピンポイントの借景としてインテリアに取りこんでいます。春が楽しみです。

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2階から富士山を望む風景です。

南側からは日光、西側には公園、北側には富士山、そして東側からのアプローチ、つまり4周すべてに物語があり、設計作業は360度のパノラマの物語を紡ぐような作業になりました。もともと敷地に存在している素敵な樹木も残しており、その樹木と建築の関係、インテリアの関係などなど、もはやつじつまを合わせることで精一杯だったのかもしれません。

そんな膨大に発生する関係性のパターンを建築として一気に物質化、具体化、固定化するのではなく、柔らかい皮膜で生活の場をフワフワと・・・、ユルユルと覆うことができたらとチャレンジしたプロジェクトです。

残念ながら建築は相も変わらす直角で直線でしかありません・・・。

それでもその古臭い建築のボキャブラリーの中でも緩さというか柔らかさを体得できたらと・・・、皮膚で感じられるような優しい居心地を実現できたらと・・・、私自身もここ数年にわたり試行錯誤しているテーマです。成功しているか否か、確認してみてください。

遠景は富士山、中景は公園の緑、近景には敷地内の植栽達、この緑を基本とした景色との交感もひとつの大きなテーマでした。日ごろよりあまり外観には意識的ではないのですが、今回はテラコッタ色に塗装しました。

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テラコッタの植木鉢は土を焼成することにより完成するプロダクトです。そしてその鉢の中に元の生の土を入れて使います。つまりそのままの土と焼いた土による相互扶助、あるべき姿としての必然性を持つデザインなのです。

土は焼くことにより酸化して赤い色を帯びてきます。この赤い色は植栽の緑とは補色の関係になり、お互いがより引き立てあう存在になります。

いかがでしょう。テラコッタの植木鉢はもはや神が創造したともいえる完璧な存在です。この住宅はこのテラコッタの色で、周辺の緑達と特別な関係を結ぶことを意図しています。

つまり、この敷地に存在するあるべき姿をそのままに・・・、そしてピュアでニュートラルな形の生活の場をイメージしています。

 サクラの季節になりましたらもう一度撮影に行ってきます。楽しみです。