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ずらす 平面を考える

アルバアアルトという建築家がいる。大学で建築の勉強を始めたころ、3番目に僕を魅了したフィンランドの建築家である。

ちなみに・・・、一番最初は小学生のころ家族で見に行った愛知県犬山市の明治村にあるライトの帝国ホテルのエントランス部分の移築された建築である。これが僕にとっての建築をはじめて意識した機会である。まさかそれ以後これほど長く建築に興味を持ち続けるとは思いもしなかった。

さらにちなみに2番目は安藤忠雄である。ちょうど大学1年生の夏休みに帰省する途中によった本屋さんで氏の作品集を見たときのことである。僕はその夏休みに計画していたアルバイトをキャンセルして、父親の車を数週間に渡り占拠して大阪方面に向かった。車中泊のタイトな旅行であったが、安藤さんの建築を片っ端から見て回ったことを覚えている。

そして、次がアルバアアルトである。残念ながら実物はいまだ見たことはない。アアルトの建築は特に北欧における風土性やそのたたずまいの美しさについて特徴的ではあるが、僕にとってはアアルトのプランこそが、大げさに言って僕が生涯のうちに実現したいと思っている様々なエッセンスが盛り込まれていると思えるからである。

例えば、エントランスからスキップフロアーで若干レベルが上がったところの対角線上にやわらかいシェイプの暖炉、そしてその脇には空間としては連なるようなダイニングルーム、それらは空間としては一体感がありながらもそれぞれの空間の軸線を微妙にずらすことによりつながりながらも離れて見えるという多様性を空間にもたらしている。そしてそのスパインとなる壁面もまた手でなぞりながら作られたかのようなやわらかいカーブを描いて、その上部のハイサイドライトからの壁面をやわらかく受け止めている。空間は柔らかな光で包み込まれている。

空間の方向性が多様で、するするとつながる・・・柔らかな多様性のある領域の分節。

空間体験というよりは一つの風景のように現れるスペース。抽象的ではあるが・・・、これである。

 

僕のつたない文章力ではこんな感じになってしまうが・・・、本当に美しい。もし興味があるようでしたら・・・アアルトのヴィラマレイアという住宅が位置おしです。是非見てみてください。

と言う事で・・・・、

現在計画している住宅の内部にも様々に抜ける視線を空間の中に埋め込もうとチャレンジしています。周辺は住宅が立ち並んでいるため、それに対応するように、対角線上に3つのガーデンを設け、単純にはすべての立ち位置から2方向以上の視線の抜けを確保し、外部のガーデンと連続させることを試みています。

部屋の広がりと対角線に抜ける視線。つながりながらの不連続。これがこの建築のテーマです。

お施主さん、楽しみにしていてください。

 

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