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カルテシアン座標は美しいですが・・・

進行中の現場の土台が組み上がりました。次は上棟を目指して準備中です。
910㎜角で広がる無限な感じがとても美しいです。

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いわゆる、XY軸に広がるカルテシアン座標ですね。近代主義の権化ともいえる座標です。

そして私にとっての建築の設計とはこの格子状に広がる空間との格闘でもあるといえます。格子状の空間は確かに合理的だし耐久性も施工性も高く、様々な意味においてコントロールしやすいものではあります。

しかし、この無機質でとりとめのない広がりや形が生身の肉体を持つ人間の肉体、生理、生活、アクティビティとうまく連動するのか・・・
人間の感性はこのような四角い格子状空間でより自由を得獲得できるのか・・・

樹木の葉や枝の広がりは、下の葉が上の葉の陰にならないように位置ずらしながら配置されます。
また、山の尾根や谷の連なりも、地表に降った雨水を効率的に排水するために合理的な形になっています。
自然には同様の有機的な合理性を持った形が多く存在します。

とはいえ、いまだ我々は近代合理の下にこの格子状空間の囚われの身ですから・・・現代の画一的な合理性の定義を拡張し、この座標の中でいかに生身の人間の生理や感性の発露に近づくことができるか、身体感覚の延長としての空間を現象させることができるのか・・・それが建築のチャレンジだと思っています。