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河口湖の別荘の改修工事が完了しました。

昨年より進めておりました、河口湖の別荘の改修工事が完了しました。

長い長い冬季の中断をはさんでしまいましたが、何とかゴールデンウィークに間に合わせることができそうです。
とはいえ、4月も末ですが現地の気温は1度・・・、まだまだかなり寒いです。

少々遅い時期の積雪にも見舞われながら、引き渡し前の最終チェックに行ってきました。

運の良いことに雪景色の中にとても美しい富士桜を鑑賞することができました。地元の方でもなかなか見ることができないそうです。

本当は・・・昨年の積雪前に終了しておかなくてはならなかったのですが・・・、来春まででもいいよ、その代り良いものに仕上げてくださいね!というクライアントさんより年末に頂いた御好意に甘えて、本当にぎりぎりになってしまいました。
おかげさまで、我々としましても会心の出来かと自画自賛、さらには富士桜まで堪能させていただきました。
転びまくってもただでは起きない、ということにおいては人後に落ちぬことを自負する私としては・・・、と自分を慰めつつ、事務所に帰還しました。

クライアントさん、ご心配をおかけしました。おかげさまで良い感じに仕上がりました。

引渡し前日の夕方、ギリギリの時間にあわてて撮影した写真ですのでわかりにくい写真ではあります。
とはいえ改修前と改修後の写真を並べて”before after” みたいな、あまり上品な趣味は当方持ち合わせていない由・・・、わかりにくいかと思いますがご容赦ください

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計画はシンプルに、大きなワンルームのちょうど真ん中にキッチンセットが仕込まれた大きなダイニングテーブルを設え、別荘ならではの家族の時間と非日常感を創出しようと試みています。

設計中は特に距離感の演出について考えました。
人は距離を縮めるためには尋常ではないエネルギーをそこに投入してきました。
車や飛行機の発明もその一つ、ネットなどの通信手段の発達もそうでしょう。
とはいえそれに伴い様々なものを失っているかもしれないことも事実です。例えば昔、好きな彼女にラブレターをしたため、ドキドキしながら返信を1週間、ひどいときには一年にもわたり待ち焦がれた、そんな情緒もなくなってしまったような気がします。

ですので、あえて別荘にはこの距離にまつわる何か、普段の生活の場でもある都会からの物理的な距離や、忙しくあまり共に過ごす機会が少なくなってしまった家族との距離、そんな距離を何らかの形で浮き上がらせることができたら・・・、ということを考えました。

そしてそれがこの大きな中央のダイニングテーブルです。
壁面はすべて収納として活用できるように考慮し、生活感をバシッと格納することができ、ガランとしたシンプルな空間に大きなダイニングテーブルだけが浮き上がります。
何もない、ただそこには美しい景色と最高の空気、まさに休息と瞑想、日常の活力を補う為の空間、そんないつもとは違う距離感を一気に入れ替えるスイッチのような空間となることを志向しています。

壁面の収納には上階への階段までもが隠ぺいされています。家族としての別荘としてだけではなく、ゲストを招く機会も多いクライアントさんにとって、寝室ですらどこにあるかわからないような、そんなおもてなしの空間としても機能するように考えています。

いかがでしょうか?ぜひまたお邪魔させてください。