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大社の杜がオープンしました。

大社の杜みしまがオープンしました。

サイトはこちらです。

https://www.facebook.com/taishanomori

http://taishanomori.jp/

写真はこちらです。

https://www.ashiya-architects.com/works_detail.php?id=67

まだ道は半ばではあります・・・、つまりはとりあえずのオープンではあるかもしれません。
なぜなら”大社の杜”は不断に変化、成長をしてゆく”場”として構想され、皆でそのコンセプトを共有し、実現を試みているからです。

とはいえ、オープンに至るまでの長い道のりはとても楽しくそして険しいものでした。そして何よりオーナー氏の大志と野望によってメンバーの皆をけん引してきた事により実現されたと思います。

大志と野望は時に大きく異なり時に紙一重ではありますが、皆と野望を共有するというプロセスを経ることにより、それは一つの想いに昇華、つまり大義・大志になるのだと気が付きます。

オーナー氏、出店する各店舗、近隣の皆様・・・皆で三嶋大社の前を盛り上げたいと、ただそのために皆で団結し、これからもひたむきに継続されてゆくことでしょう。

なんだか書いていると40過ぎているにもかかわらずただ熱いだけの高校生のようです気恥ずかしいのですが・・・ただ少なくともよくある”いいね!”のような軽々しいものではないことだけは確かかと思います。

もちろん建築は素晴らしい、空間も素敵、ショップの内容は言わずもがな・・・、しかしそのうえで街とのコミュニケーションを持つ場所であり、そんな風に感じ、来場の動機になったらとてもありがたいことです。

大社の杜、三嶋大社、近隣街は必ず盛り上がらなくてはなりません。それは街、三島の未来であり、街は皆の未来だからです。この場所をぜひ愛でていただけたらと思います。

建築のデザインでは、造る楽しさ、造る人たちの想いや息遣い、思考の過程、時にやり直しの痕跡、造る過程・・・そんな建築にまつわるプロセスが露わになり、建築の楽しさを再発見してもらえるようなデザインを目指しています。

・・・建築をするって楽しいだろ!!

・・・一緒に作ろうぜ!!

って感じでしょうか?

ロックが高尚な芸術であったはずの音楽をより多くの人が共有する文化に仕立て直したように、オーナーでもある建設会社によるとっても素敵な所信表明としてぜひ見てみてください。

そして建築デザイン、建設会社をより身近に感じていただけたらと思います。

設計、建築のプロセスはオーナーさん、現場監督、職人さん、そして各店舗の皆様そして・・・とても素敵な方に恵まれたプロジェクトでした。

その中でも特筆すべきは、このプロジェクト、驚くことにこの建築は工事の着工からオープンまで3か月・・・恐ろしくタイトなスケジュールにて完成しています。

各ショップの工事がおよそ1か月ですから、建築は実質2か月で仕上げなくてはなりません。地盤改良から各検査、外構植栽までハードルは目白押しです。

なぜそんなにタイトなスケジュールなのか・・・シンプルです。すべては我々の設計作業の業務が遅れたからです。

何の言い訳もするつもりははございません。ただ・・・足場に使うただのパイプをすべての構造材に使うという常軌を逸した建築構造にこだわったあまり・・・ということです。

オーナー氏の対応もシンプルです。

”単管棒を使うアイデアは決して曲げない、さらにグランドスケジュールも同様に決して曲がらない・・・仕上がりも内容も曲げる気は毛頭ない・・・”

さすがの判断です。

仕事は言わずもがな察しの通り・・・、酒席ではプレミアムしか頂かない、出で立ちから立ち居振舞い・・・、携帯端末を操るその指先に至るまでエレガント、つまり”違いの分かる人”なのです。

少なくとも残念ながら私は違いの分かる男ではありませんが・・・違いの分かる人の”違い”は瞬時にかつとってもクリアにわかるのですが・・・。

なぜなら建築は”違いの分かる人”に奉仕する為の物理的存在であり、同時に建築家とは”違いの分かる人”と分かち合いそして支える職能であるからです。

そしてさらにこのタイトなスケジュールを・・・、さらには当方の不手際によりさらに縮小化された工事期間のなかで・・・顔色一つ、否・・・最後の最後まで笑顔で乗り切った現場監督にはもはや称賛を超え、驚きも超え、さらには尊敬の気持ちも超え、畏怖の念すら感じます。

私のような料簡の狭さでは、自分の落ち度を顧みることもせず”工期が足りません・・・”などと羞恥のかけらもないのですが・・・彼ときたら・・・。

さらには、”芦屋さん達の単管棒をユニット(工場でのプレファブ化)にした構造アイデアは工期短縮にとっても効果的です!!さすがです・・・。”とのこと、

我々、かなり情勢が不穏な中・・・これ以上ない最大級の援護です。正直涙が出ました。そんなとても優しい男でもあります。

かなり持ち上げておりますが…決して私たちの尻拭いをして頂けたからでもなく、はたまた、最後には設計費用の請求書をオーナー氏に気持ちよく受け取って頂けたからでもありません。

ただひたすらに素晴らしい仕事だと思います。

話は変わって・・・

大社の杜には”ファブラボ”と言って、3Dプリンターを自由に使える場所があります。

これは相当に楽しいです。ぜひこちらも体験してみてください。

3Dプリンターとは、コンピューターの中にある3次元の物体を作成し、その後それをプラスチックによる3次元の物体として出力できるのです。

通常写真を撮影して、2次元の紙にプリントするのが一般的ですが・・・、こちらはそれを3次元で実現できるのです。モノづくりを皆で楽しもうというオーナー氏の意向です。

建築も一つのモノづくりですので、皆でモノづくりを通じてつながってゆけたら、という感じです。